ザガーロは、5αリダクターゼⅠ型、Ⅱ型を抑制する薬で、Ⅰ型を抑制するフィナステリド(プロペシア)より強力な阻害剤です。フィナステリド(プロペシア)をより副作用が強いのでしょうか?いくつかの臨床研究からの報告です。

 917人の国際臨床試験では、性機能障害の頻度は性欲減少3.3%、勃起不全(インポテンツ)5.4%、射精障害3.3%、韓国の712例では、平均治療期間204.7日の市販された後の調査でのは、性欲減少1.3%、勃起不全(インポテンツ)1%、射精障害0.1%であった。
 
 日本国内120の調査では、52週間の経過を経て、性欲減少8.3%,勃起不全(インポテンツ)11.7%, 射精障害5.0%と他に比べ高頻度である。
 投与にあたっては添付文書の記載をよく読んだ上で、性機能障害を含めた副作用についても十分な説明と同意が必要である.

 フェナステリド(プロペシア)と同様に、デュタステリドを投与中の男性型脱毛症患者において、前立腺癌診断の目的で血清 PSA濃度を測定する場合は,2倍した値を目安として評価すべきである。フィナステリド同様、妊婦に投与するとDHTの低下により胎内の男児の生殖器官等の発育に影響を及ぼすおそれがあるため女性への投与は禁忌となっている。 

 男性型脱毛症におけるデュタステリド内服の発毛効果は、信頼できる医学的根拠があるので、性欲減少などの性機能障害の理解を得れば、内服治療を強く勧められる治療である。

 一方、日本国内の男性については、比較試験のうち1件の国際臨床試験で20歳以上の男性を対象に行われている。ただし、20歳未満に対する安全性は確立していない。また、1年を超える長期投与での効果や投与中止後の毛髪量変化については検討されていない。フェナステリド(プロペシア)と同様に女性型脱毛症には内服療法を行うべきではない。

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