男性型脱毛症と前立腺がんは、以前から関連性が指摘されていますが、今までの報告の臨床研究では、その関連性を明らかにされませんでした。薄毛のタイプで、前立腺のリスクを予知できるのでしょうか?

前頭部と頭頂部が薄毛、ハゲだとリスクが上昇

この関連は以前から示唆されているが,今回のアメリカの研究機関が、45才時にある特定のパターンの脱毛症の場合、後年に約40%で前立腺がんになる可能性が指摘された。

研究対象は、55~74歳でがんの既往のない男性39,070 人を対象に、追跡調査を行った。45才の時点で下のイラストの薄毛、ハゲのパターンについてアンケートを行った。

ハゲのパターン
赤枠が要注意の薄毛、ハゲの脱毛パターン

追跡調査の結果、45才時に前頭部と頭頂部に薄毛、ハゲが認められたと回答した男性は、脱毛がなかった男性と比べて悪性度の高い前立腺がんになるリスクが約40%高かった。

悪性度の低い前立腺がんリスクに関しては、有意な関連性はなかった。また,他の薄毛、ハゲのパターンと前立腺がんとの間には有意な関連性は認められなかった。

男性型脱毛症(薄毛、ハゲ)と前立腺がんは、いずれも男性ホルモン(アンドロゲン)とアンドロゲン受容体の増加が関係しているという医学的根拠が増えつつある。

今回の研究が今後の研究で再確認されれば、薄毛、ハゲ・脱毛症のパターンの評価によって、悪性度の高い前立腺がんリスクの男性を早期発見できるかもしれない。

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☞参考医学論文
Relationship Between Male Pattern Baldness and the Risk of Aggressive Prostate Cancer: An Analysis of the Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian Cancer Screening Trial
American Society of Clinical Oncolog 33(5)419-429,2015