現在,男性型脱毛症に対する医学的方法の中では、世界的に見ると、外科的治療では遊離植毛術が主流です。

遊離植毛術とは,後頭部や側頭部から採毛し、その部分から採取した毛根を含む毛髪を薄毛、脱毛部に移植する手術方法です。

移植された毛髪は採毛部の性質をそのまま受け継ぎ, 正常の毛周期を保ち成長します。自家移植のため免疫拒絶反応や感染の問題もなく、毛髪の毛周期、色や太さなども患者の元来のままです。

また、一度生着すれば特別な手入れの必要はなく,染毛やパーマも普通に行なえます。Orentreichが円柱植毛術(Punch graft)を発表し,世界的に広まりました。その術式は,Punch graftから移植サイズがより小さくなりました。現在では毛穴単位で分離して移植する FUT(follicular unit transplantation)へと高度化しています。

繊細な移植毛を作成することにより,現在では自然な頭髪を再現することが可能です。手術は主に3つの段階、採毛→移植毛の分離→移植を経て行われます。

遊離植毛術は症例を選択すれば,たいへん効果的な治療法ですが,もちろんですが、頭髪の総数を増やすことはできないため,遊離植毛術はhair replacement surgeryと称されています。

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