薄毛、ハゲ、男性型脱毛症に対しての薬物治療はいくつかの種類があるが、その1つにケトコナゾール外用がある。 ケトコナゾール外用の有用性に関していくつかの研究報告がある。ちなみに、女性型脱毛症に対する臨床試験は実施されていない。

一般的な頭髪シャンプーとの比較

2%ケトコナゾール(KCZ)シャンプーと市販のシャンプーを用いた27名の男性被験者を対象とした治療期間21カ月の比較試験では、pilary index(PI)=成長期毛率(A%)×毛髪直径平均値(Dμm)は、2%KCZ群では使用開始6カ月より増加し、15カ月目以降は増加はせずに平行線となった。一方、対照群の12名のPI値は時間経過とともに徐々に減少した。

2%ケトコナゾール(KCZ)含有ローションを用いた6名の男性被験者を対象とした治療期間10~12カ月間の症例研究においては、皮膚科医による評価で6例中2例が著明な発毛を認めた。

さらに、2%KCZローションを用いた17名の男性被験者を対象とし、治療期間6カ月の症例研究において、皮膚科医による評価では、薄毛、ハゲの程度は投与前には高度10例、中等度7例あったものが、治療6カ月後に高度1例、中等度12例、軽度4例に改善した。

フィナステリド内服との比較

2%KCZシャンプーとフィナステリド内服 (1 mg/日)を併用した10名の男性被験者を対象とした治療期間12カ月の比較試験も行っている。

3人の皮膚科医師の診察による毛髪の成長もしくは脱毛の程度を5段階評価したが、フィナステリド内服 (1 mg/日)のみと、2%KCZシャンプーとフィナステリド内服(1 mg/日)の併用群で有意差はなかった。

薄毛、ハゲ、男性型脱毛症に対するケトコナゾール外用の発毛効果に関しては、明らかな有意差のある効果はないものの、強く勧められる治療ではないが、行ってもよいという程度である。

一方、女性型脱毛症に対しては、明らかな効果があるという医学的根拠は不足しているが、副作用が少ない点から行ってもよいという程度の治療である。ただ、ケトコナゾールは、日本国内では育毛剤として認可を受けていない。

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