治療のポイント
・円形脱毛症と他の脱毛症との区別が大切
・円形脱毛症は、発症してから6か月以内の進行か、それ以上の症状が固定しているかで治療方法が異なる
・脱毛症の治療には、6か月から1年かかる場合がある
病態と診断はどのようにしているのか?
・毛は成長期、進行期、休止期という毛周期を数年かけて繰り返している。1日に200本程度までは生理的脱毛があるが、この数を超えて脱毛するのは脱毛症である。
・円形脱毛症は、毛の器官に対する自己免疫反応で起こる。
・頭部に単発する症例が多いが、多発、全体的もしくはまだらなどの重症例もある。
治療方針は?
日本皮膚科学会より円形脱毛症診療のガイドラインが標準化されている。
・15歳以下の患者と16歳以上の患者に分類され、ステロイドの全身投与、局所注射は15歳以下には推奨されていない。ついで、発症6か月以内の進行期、6か月以上の症状固定期では治療方法が異なる。
進行期、症状が固定している場合
1)セファランチン
2)アンテベートローション
3)フロジン
進行期
発症6か月以内で進行が激しい16才以上の症例では、ステロイド療法を入院して行うことも検討する。
症状固定期
局所免疫治療、ステロイド局注などを行う。
出典:今日の治療指針(医学書院)より抜粋